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子どもの成長に伴う「ことば」の獲得、そこで重要なのは「映像」と「音声」の一致です。
文字を覚える前の段階では、ことばは耳から入る「音声」です。音声によってモノを意識し、イメージを浮かべます。
その後、文字を覚え、文字を読む段階に進みますが、このとき注意したいのは、文字が読めること=文章が理解できること と簡単には結びつかないということです。
文章は、「単語」の意味がわかり、文節相互の関係(文の成分)や文と文の関係(文脈)が正しく把握できてはじめて、理解できたことになります。
文字を覚えたばかりで文章になれていない子の多くは、黙読する際に一文字単位で読むくせ(「文字読み」と呼びます)があります。文字をまとまりとしてとらえる読み方ができないので、
という文を例にすると、
と読んでしまいます。
とそれぞれが意味を持つ文字のまとまり=ことば としてとらえることができないまま、文章を読み進めていきます。結果、読めるけれど理解は不十分という妙な現象が起きてしまいます。
同様の指摘は、『国語教育の新常識』(森山卓郎氏・達富洋二氏著:明治図書)の中でも、以下のように述べられています。
文字が一通り読めることと、すらすら読めるということとの間には、実は大きな違いがあります。そのことを検証するために簡単な実験をしてみましょう。次の言葉をなるべく速くさっと読んでみて下さい。
にほんごでは、おもしろいことに、かんじ、かたかな、ひがらな、といったように、たくさんのもじが つわかれています。
この文は、「日本語では、面白いことに、漢字、片仮名、平仮名、といったように、たくさんの文字が使われています」というように読んで頂けたのではないでしょうか。しかし、実は、平仮名では、「ひがらな」「つわかれています」と書いています。
実は、私たちは、文字を読む場合、一字一字を細かく積み重ねるような読み方をしているわけではありません。語のまとまりとして読んでいます。そして、まとまりとして読む場合、大体のところで、予想もしているのです。~中略~
このように、私たちは、ふつう文字を一定のまとまりとして読んでいます。正確で効率的に読むためには、「慣れること」「注意深くなること」が必要です。ですから、特に低学年の子どもなど、まだ慣れていない子どもについては、何度も音読させるなど、文字のまとまりと自分の持つ言葉とを適切に連合させていく訓練が重要です。
~『国語教育の新常識』(明治図書)より引用~
※ 赤文字は本稿筆者による追加
「何度も音読させるなど、文字のまとまりと自分の持つ言葉とを適切に連合させていく」とありますが、本来ことばは「音声」を介して、聞くこと・話すことで習得していくものです。 文字による言語習得においてもそこに「音声」があれば、文字を意味のあるまとまり=ことば として捉えることがスムーズになるのです。したがって、文章を読む際も、黙読よりも音読が望ましいわけです。
ただ、「文字読み」かそれに近いレベルの子にとっては自分自身で音読することも難しいかもしれません。そんなときは第三者による朗読音声が頼りになります。
「ことばの学校」では、ラインナップの図書すべてに、プロのナレーターが読み上げた朗読音声がありますので、それに合わせて黙読することで、「読み聞かせ」や「音読」と同じような効果が得られます。
音声サポートのある速聴読だからこそ、小学校低学年の子どもや、読書の苦手な子どもでも、容易に読書に集中でき、読書の楽しさを実感することができるのです。
教室用プログラムでは、良書多読・速聴読に加え、
読書ワークと読書指数®診断の
ツールがご利用できます。